旅行、行きたいですね。たまらないですね。
しかし、今わたしが住んでいる東京はもはや「ラクーンシティ」「ヘルサレムズ・ロット」的な様相を呈しているので、この街から地方に赴くわけには行きません。今年は地元にも帰省できないし一緒に遊べないね、とこないだ母親とも話しました。帰ったことがよそ様に知られた瞬間、多分かたい林檎を投げつけられる。(冗談ではなく、地方でコロナに罹った家族が職も家も土地も捨てざるを得なくなった話を聞いてるので、地方に行く方は現地の雰囲気をよく調べてそれなりの覚悟でね、、)
というわけで、最近はもっぱら旅・海外生活をテーマにしたエッセイ、小説、漫画、ガイドブックなどを読んで想像を膨らませて過ごしています。元々大好きだけど、コロナ禍になってからより積極的に購入するようになりました。「ここ私も行ったな、次はここ行きたいな〜」と考えると気が紛れるよね。数がたまってきたので、共有できればなと。同じくおすすめのものがあれば、コメントやTwitter、マシュマロなどで教えていただけると嬉しいです。
漫画
・一条ゆかり 『猫でもできる異文化体験』
漫画家の一条ゆかり先生のトラベルエッセイ。大好きな一冊。一条先生は分かりやすくセレブでハイブランド・高級ホテルが好きなため、お金の使い方が豪快で超気持ちが良いです。嫌味のない豪遊。1990年代の旅エピソードなため、当時って旅ひとつ行くにもこんなに不便だったんだというのがよく分かる。スマホなどはもちろん無いし、このぐらい少ない情報量しか得られない海外旅行、私もしてみたいな〜と夢想してしまう。今は情報が溢れすぎててそれはそれで不自由だからね。
・近藤聡乃 『ニューヨークで考え中』
あき書房のWebマガジン『あき地』で最新話を追いつつ、単行本が出たらまとめ読みするのがとても楽しみ。NYはまだ行ったことがないのだけど、『Sleep No More』を観るためにいつか行かねばと思っている。うぅどうかそのままの形で生き残ってくれ…。
・ながらりょうこ 『ヨーロッパ旅ごはん』
ご飯の描写(作画)がとにかく美味しそうなのよね。これは唯一無二だと思う。
同じくながら先生の『ねこと私とドイッチュラント』という漫画も面白いです。言語を喋り二足歩行するねこ・むぎくんと、飼い主・トーコちゃんのベルリンでの同居生活。毎話おいしそうなドイツ料理が出てくるので、とにかく小麦粉とイモが食べたくなってしまう。
・香山哲 『ベルリンうわの空』
今、世界中どこの都市にでも自由に住めるのだとしたら、ベルリンに住みたいですね私は。北国出身なので、ヨーロッパの気候が肌にとても合うのがよく分かっているので、旅行先としてもヨーロッパが大好き。人生のどこかで一ヶ月くらい暮らしてみたいな。
・シベリカ子 『おいしいロシア』
ロシア人夫のP氏がとても可愛い。ロシア家庭料理の紹介が多いので、良い意味でロシア入門編という雰囲気で好きです。
・高橋由佳利 『トルコで私も考えた』
トルコもとても行きたい場所。30代前半あたりで中東どこかに行きたいなと考えてたのよね、行けるかな。
書籍化されていないですが、とても好きでInstagram、PixiV、ブログなどで読んでいるコミックエッセイ。
・野宮レナさん
・旅するトナカイさん
・小林姉妹さん
むちむち旅行シリーズの「台湾」「韓国」「ハワイ」とっても良いです。これだけ強靭な胃袋に戻りたい。(アラサーにはもうちょっと無理ね。)
エッセイ・小説
・角田光代 『幾千の夜、昨日の月』
旅エッセイといえば、角田光代先生。『いつも旅の中』『恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。』『世界中で迷子になって』『大好きな街に用がある。』『行きたくないのに出かけていく』など、ザッと一通り読んでいるのですが、初めて読んだのがこちらだったのでピック。モロッコの砂漠で、寝具セットを渡され吹きさらしの砂漠の真ん中で寝られず、見たこともないような月を眺めて一人で夜を過ごす「月の砂漠」の章が特に印象深い。私はバックパッカー的な旅は一度もしたことがないのだけど、角田先生のエッセイを読んでいるとリュックと身一つだけで気分で海外に行く生活に憧れてしまう。一泊数百円の安宿で、異国の空気を感じながら瓶のままお酒をぐびぐび飲みたい。我ながら似合わないですね、でもそういう無骨さにたまらなく憧れがある。
・真鍋かをり 『世界をひとりで歩いてみた 女30にして旅に目覚める』
タイトル通り、30歳にして海外ひとり旅に目覚めた真鍋さん。等身大の文章、経験が描写されていて、友だちの旅話を聞いているようで親近感が湧く。初めての航空券手配、ホテル予約、海外ホテルのチェックインなどなど、たくさんの「はじめて」エピソードが書かれているのだけど、思わずそうそうそう!と頷きたくなることばかり。(笑)、(泣)などの記載が多いのもこの時代のブログ文化だなぁと思ってしまいます。(2013年発行)
・米原万里 『旅行者の朝食』
・田丸久美子 『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』
外出自粛期間は、米原万里さんや田丸久美子さんの書籍をよく読んでいた。ロシア語通訳の米原さん、イタリア語通訳の田丸さん。文章がすらりとしていて読みやすい。同業の友人でもあるこの二人、お互いの著作の中に登場することも多いのだけれど、ご飯の約束をファックスのやりとりで取り付けたりしていて、ユーモラスな誘い文句を送りつけるエピソードを見て、私も無性にFAXが欲しくなってしまった。ほとんど使ったことがないんですけどね。あと「トルコ蜜飴(ハルヴァ)」は人生で絶対に食べてみたい一品になりました。中東に行かないと難しいだろうなぁ。
・今野緒雪 『マリア様がみてる チャオソレッラ!』
唯一完走したライトノベル『マリア様がみてる』シリーズ。『チャオソレッラ!』は、高校二年生の主人公たちのイタリア修学旅行を描いた一冊です。(おそらく設定を知らなくても、これだけ単独でも読める。)シリーズを通してもこれは好きな話で、高校生の視点で描かれるイタリア旅、とっても楽しい。一緒に教会で礼拝したいしジェラートを食べたい。26歳のときにイタリアに行った直前もこれをしっかり読み込んで行きました。
SNS・ブログ・その他
昨今のSNS(特にInstagram)は旅情報 の宝庫。私もひとのインスタを覗いている時が一番「旅に行きたい…!」と思う瞬間かもしれません。でも、誰の情報でも良いわけではなくて、「なんとなくどんな人かを知っている誰か」が「どんな旅をして、どんな体験をして、何を感じているか」が一番心に届く。漫画家、小説家の方の旅エッセイが好きなのはそういう理由なのかもしれません。なので、「旅ばかりしているけれどこの人どういう職業なの…?」という方の投稿はあまり見ないかも。笑
・田中里奈ちゃん
何度か言っているけど、高校生〜大学生の頃「青文字系雑誌・読者モデル」が大好きで、CUTiE、SEDA、Used Mixあたりの雑誌を毎月買いあさって原宿に買い物に行くような生活をしていたので…当時の読者モデルの皆さんは今でも大好き。里奈ちゃんは特にここ数年「旅のひと」で、年間20~30か国ぐらい余裕で旅に出かけているから、タイムスケジュール方法とかも勝手に参考にしています。現地でのファッションやホテルの選び方もいつも素敵。
・赤埴奈津子ちゃん
ハニちゃんもはや13年ぐらい?好きなんだな…当時のブログからずっと読んでいるので、私もなかなかにやっぱり性格がしつこいですね。笑 Instagramも素敵だし、フランスにワーホリ留学していた時のブログが特に好きです。私はフランスはパリしか行ったことがないんだけど、南仏にも行きたくてたまらなくなります。留学ブログを読んでいると、ステイ先のお部屋なんかが日本のそれとは全く造りが違って、現地の気候や習慣に適したものになっていて、なるほどな〜と感心しますよね。
外出自粛期間は、海外各国の様子が知りたくて、現地駐在奥様のブログをよく読んでいた。ただ、ずっと読み続けていられるブログって文体や雰囲気が自分の好みに合うかどうかですよね、というわけで今も読み続けている(ブックマークしている)ブログはあんまりない。
フィンランドとニュージーランドの方のブログ。どちらも社会がだいぶ落ち着いていて羨ましくなる。何か役立つ情報とかコスパの良いあれこれとかではなく、ただただ暮らしのことが書かれているブログ。落ち着きますね。
・オードリーのオールナイトニッポン
最後にラジオをお薦めする。若林さんの夏休みひとり旅シリーズのトークがとても面白いです。キューバ、アイスランド、モンゴル、バリのひとり旅。旅先のチョイスってその人の思考が出ますよね。どの回もそこそこ長いので、なにか単純作業中のBGMなどにどうぞ。リンクは貼らないけれど YouTube等々で聴けます。
深夜のエアポートを夢みて
異国に着いた瞬間、肌で感じる空気の軽さや鼻を擽るその土地ならではの匂いで「あ、今海外にいる」と感じるとき、見たことのないフルーツを食べるとき、お互いに言葉がわからなくても意思疎通ができたとき、旅をしていて嬉しい瞬間は多々あるけれど、私が一番好きなのは出発前の空港で過ごす時間だったりする。それも、深夜の人のいない空港が大好き。わざと終電からも始発からも遠い絶妙な時間のフライトを手配して、大概の店が閉まってしまった空港で、ベンチを一列独占して寝たり変な時間に牛丼を食べたり無性に走ってみたくなったりして、子供のように過ごすときが一番ワクワクする。
空港ってとにかくいろんな人が行き交って、知らないところで色々なドラマが生まれていて、陽のパワーに溢れた場所だと思う。「良い気が流れているな〜」と思ってます。(スピリチュアル的なことには疎いのですが、「気」とか「運」とかポジティブなものは結構感じながら生きている。)
次に空港に行くとき、私はどこに向かうんだろうな。何年後になるのだろうな。高揚感とちょっとの疲れが混ざって満ちて、そこかしこで人が寄り添って寝ている不思議な平和な空間を夢みて、この日々を過ごします。
(香港国際空港のスタバにて。多分深夜0:00ぐらい、テンションが上がってる一枚。)
私の旅行記はこのあたり(楽しそうだな!)